精油・アロマPerfumerhouseの調香師のコラムです。
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フルーツの香り
アロマオイル・精油Perfumerhouseです。


果物がおいしい季節になってきました。
 
かんきつ類の精油はたくさんあります。
それ以外の果物の精油がないことに不思議に思ったことはないでしょうか。

かんきつ類と言えば、
レモン、オレンジ、グレープフルーツ、マンダリン、タンジェリン、
ベルガモット、ナツミカン、はっさく、ゆず、・・・等。


かんきつ類の精油は皮から取ります。

皮をぎゅっと折ると、液体がプツプツと染み出してきた経験はないでしょうか。
あれが、精油です。

では、果肉に精油は含まれていないか、というとそんなことはありません。

精油とは、香りがする揮発性の油であり、香りがする以上果肉にも含まれています。
ただ、果皮と比べると精油が水に溶けた状態で存在しているため、量は少ないです。
 

さて、かんきつ類以外の果物ではどうかというと、

香りがする以上、精油は含まれています。

ですが、かんきつ類のような皮がなく、
水に溶けた状態なので、かなり少ない量です。

そのため、残念ながら工業的に生産はされていません。

つまり、市販のジュースやアイスなどは、
ほとんどすべてが人工的に作られた香り、と考えてよいです。
(果物の香水はかんきつ以外は、ほぼ100%が人工的に作られた香りです)
 


ここから、化学の話になります。

果物の特徴的な香りの成分は、エステル類です。

エステル類と聞いて、ピンとくる方もいるかと思いますが、
ラベンダーの主成分が、酢酸リナリルというエステル類です。

エステルは、
アルコールと酸が結合した化合物です。

ラベンダーの場合は、下記となります。
リナロール+酢酸 → 酢酸リナリル

リナロールはかなりフローラルな特徴を持った香りですが、
(リナロールはローズウッドの主成分なので、それを連想してください)
酢酸リナリルはフローラルの中に、やや酸味を持った香りです。

また、エステルになると、香りが軽くなるのも特徴です。

アルコールも酸も極性を持っているため、
水やほかの化合物と弱い結合をした状態で存在しています。
そのため、揮発しにくい状態にあるのですが、
エステルになることにより、極性が低くなり揮発しやすくなります。


さて、果物に話を戻すと、
果物のエステルの組み合わせの基本は、

低級アルコール+酸  です。

低級アルコール :メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、・・・
酸       :ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、ヘキサン酸、・・・
(右に行くほど、炭素数が大きくなります)

エタノール+酢酸    → 酢酸エチル
ヘキサノール+酢酸   → 酢酸ヘキシル
エタノール+ヘキサン酸 → ヘキサン酸エチル
・・・・

 

酢酸エチルは、接着剤にも使われています。

エステルの揮発性の高さ、果物に入っている安全性がその理由だと思います。

(接着剤を溶かす力も高い)


ヘキサがつくと、炭素数が6の化合物です。
炭素数6はグリーンで青臭い、葉っぱの様な香りを持っています。
エステルのように組み合わさると、両方の特徴を少しづつ併せ持つため、
ヘキサがつく化合物は、全般的にグリーンノートを形成します。


また、アルコールや酸の部分には、単純な化合物だけでなく、
少し複雑な化合物も入ってきます。

これらの成分や組み合わせ、比率が
果物の種類、品種、季節などによって変わることにより、
フルーツの香りの違いにつながっています。



これから、果物が最もおいしい時期です。

食べるときにあまりエステルが・・・なんて考えると、
おいしくなくなってしまうかもしれませんが、
少しでも思い出してもらえたら幸いです。



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